◆禁煙治療★


禁煙治療薬として、従来、ニコチンガムやニコチンパッチを使用することがほとんどでした。これはニコチンの禁断症状を和らげるために少量のニコチンを経口や皮膚から吸収させて、タバコによる気道からのニコチンと置き換えていくというもので、「ニコチン置換療法」と呼ばれます。しかし、これはニコチンを与えていることには変わりなく、禁煙成功率も10%程度と非常に低かったという結果が出ています。

200858日画期的な禁煙治療薬が開発販売されました。それが、ニコチン依存症の喫煙者に対する新しい禁煙補助薬「チャンピックス錠0.5mg、同錠1mg」は米国で禁煙治療を目的に開発された日本初の非ニコチン製剤であり、経口禁煙補助薬です。
    

  

■作用:
作動薬作用:
既存の禁煙補助薬がタバコの代わりにニコチンを補充することによって禁煙に伴うイライラや集中できないといった離脱症状を軽減する「ニコチン代替療法」であるのに対し、チャンピックスは、脳内のニコチン依存症の形成に寄与しているα4β2ニコチン受容体に対して、ニコチンより高い親和性を持って作用し、それによりα4β2ニコチン受容体を部分的刺激し、少量のドパミンを放出させることによって禁煙に伴う離脱症状やタバコに対する切望感を軽減します。従って、チャンピックスが体内に入ると、ニコチンが少し入ったのと同等の満足感が得られ、タバコを我慢やすくなるわけです。
従来のニコチン置換方法はニコチンの渇望感を和らげるために、少量のニコチンをガムやパッチで体内に吸収させる方法が、ニコレット (ガム)やニコチネルTTS(パッチ)を用い、これらの方法は所詮ニコチンそのものを摂取し続けているので、止めるとまたタバコのニコチンが欲しくなるようで、残念ながら禁煙成功率は非常に低く止まっています。
拮抗薬作用:
作動薬作用している同時に、脳内のα4β2受容体にニコチンが経合するのを阻害し、ニコチンが受容体に結合できなくなり、チャンピックスを服用中に再喫煙した場合には、喫煙による満足感を得にくくし、タバコを吸った「実感」がなくなります。
■特徴:
〇ニコチンではない。
〇初めての禁煙の飲み薬、錠剤である。
〇チャンピックスの飲み始めの1週間はタバコを吸っていてもいい。
〇保険適応で治療が受けられる。そのため費用は高くない。
〇副作用は少ない。
〇禁煙により得られる満足感を抑制する。
〇禁煙に伴う離脱症状及びタバコに対する切望感を軽減する。
〇薬剤開発を評価する学会でも非常に高い評価を得ている。
 2007年度ガリアン賞(患者さんに優れた治療効果をもたらすと認められた画期的な医薬品の開発に対し贈られる賞)を受賞。
〇かつてない高い禁煙成功率を誇る記念手段である。 65.4%の喫煙者が禁煙治療に成功し、偽薬の39.5%と比べ有意に高い。
〇薬効として正式に認められていないが、アルコール依存症にもチャンピックスでよい結果が出たとの報告あり。

■副作用:

主な副作用は嘔気、頭痛、便秘などであり、これは強くはなく、水を多く飲んだりすることで収まる例が多いです。
吐き気によって食欲がなくなって困る場合は食後すぐに飲めば問題ありません。どうしても吐き気が不快という場合は病院で処方する吐き気止めを飲めば収まります。
チャンピックスの飲み始めに副作用が出る場合が多いのですが、続けているうちに慣れてきます。体に長期的な害をもたらす障害ではなく、止めれば元に戻ります。ただし、現在精神病やうつ病で治療中の患者さんは、症状が悪化する恐れがあるので、原則としてチャンピックスの服用はしていけませ。


■飲み方:
1、禁煙開始予定日の1週間前から服用し始めます。
2、服用8日目から禁煙してください。
 自然にタバコを吸わなくなった場合は、8日目を待たず早めに禁煙に入ってください。
3、以後、12週まで服用します。



←もどる

ご相談はこちら
043-224-7520