B型肝炎
B型肝炎とはB型肝炎ウイルス(HBV)に感染して起こる肝臓の病気です。B型肝炎はアジア、アフリカで多いと考えられています。感染経路は性行為による感染、血液による感染、母子感染があげられます。B型肝炎は慢性化する確立は低いものの劇症化する恐れがある肝炎で、劇症化するとかなり高い死亡率になってしまう怖い病気です。
症状
全身の倦怠感、食欲がない、微熱程度の発熱、関節痛、赤褐色(赤く濃い色)の尿がでる、黄疸(体や白目が黄色っぽくなる)など、しばらくすると、便が白くなったり、尿が黒っぽくなったり、白眼の部分が黄色くなったりします。これは肝臓がやられている証拠です。
検査について
血液検査にてB型肝炎ウイルスに感染しているか調べます。
治療法
感染予防にはワクチンが有効ですが、特に治療方法はなく、安静にしておれば90%以上は自然と完治し、10%足らずは肝癌、肝硬変へ移行します。
C型肝炎
C型肝炎とはC型肝炎ウイルス(HCV)の感染によって起こる肝臓の病気です。昔、主に輸血による感染が主感染源でしたが、最近の主な感染経路は、性行為で感染することが多くなっています。他にも、麻薬などの注射の回しうちやC型肝炎ウイルス保有者が使用したピアスやかみそりなども感染する場合があります。性産業従業者のC型肝炎ウイルス抗体の陽性率は同年代の一般女性の8~10倍と報告されています。
肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ少しぐらいの肝臓の変化があっても自覚症状を表に表さない場合が多く、肝炎の中でも慢性化の傾向が強く「肝癌」や「肝硬変」へ移行することが多く、もっとも注意が必要と言われています。
症状
多くの場合は、自覚症状がほとんどありません。あっても、だるい、食欲がない、尿の色が濃いなどです。C型肝炎は症状が軽いものの、感染者の7割前後は慢性化し、肝硬変から肝臓ガンに進む可能性が高いので、注意が必要です。
検査について
血液検査でC型肝炎ウイルスの有無を確認します。なお感染直後だとウイルスの確認が困難な場合もあります。
治療法
大きく分けて、抗ウイルス療法と肝庇護療法の2種類があります。治療方法は身体の状態、C型肝炎の病期、活動度の他に、血液中のC型肝炎ウイルスの量、HCVの遺伝子型などにも左右されます。
A型肝炎
A型肝炎ウイルス(HAV)は感染者の便の中に排出され、飲食物などを経由して未感染者の口から感染します。
A型肝炎ウイルスの感染力はきわめて強いものです。
生の魚介類(特にカキ)や衛生状態の悪い土地での生水からの感染もあります。
性行為では肛門性交や口腔性交により、口からウイルスが入って感染します。
便の中に排出されたウイルスが、アナルセックスやオーラルセックスなどにより口から感染します。
症状
発熱、全身倦怠(だるさ)、吐気、嘔吐、黄疸(体や白目が黄色っぽくなる)など、B型、C型と比べて38℃以上の発熱を出す場合が多くみられます。
以上の症状が1~2週間続きます。他の急性ウイルス性肝炎と比べて、症状が強いのが特徴です。
検査について
血液検査でC型肝炎ウイルスの有無を確認します。なお感染直後だとウイルスの確認が困難な場合もあります。
治療法
感染予防にはワクチンが有効ですが、治療薬はなく、安静のみです。