■EPAとは・・・
EPAはエイコサペンタエン酸と呼ばれ、多価不飽和脂肪酸の一つで、イコサペンタエン酸(IPA)とも呼ばれています。EPAは健康に欠かせない必須脂肪酸で、魚に豊富に含まれて、人間の体内の血液のめぐりをスムーズにし、体内で合成することができません。エイコサペンタエン酸は欠くと血液の流れが滞ると、酸素と二酸化炭素、栄養分と老廃物などの物質の交換がうまく行われず、体にとって悪いことばかりです。流れが低下すると体の機能が低下するとともに、血圧が上昇し、血管が詰まったり、破裂したりするリスクが高まります。
■EPAの働き
エイコサペンタエン酸(EPA)には血小板が寄り集まって固まってしもうのを防ぐ働きや、赤血球膜中のEPAが有意に増加することで赤血球が柔軟に形を変えられるようになることから、末梢血管への血流を高めるだけではなく、血栓症の予防に役立っていると推測されています。
血液中の善玉コレステロールや中性脂肪を減らして善玉コレステロールを増やすなどの働きがあり、血液をサラサラにして、動脈硬化、脳梗塞、脳卒中、血栓症、高脂血症、高血圧といった病気の予防、改善に役立つことが疫学調査で明らかになっています。
EPAには抗炎症作用や免疫力を高める作用があり、炎症を引き起こしたり白血液の活性化にかかわる因子の働きを抑制することで、病気の発症を抑えたり、改善をもたらしてくれると考えられています。
EPAの効果
●動脈硬化の改善
EPAは動脈硬化の原因である、血小板の凝集を抑制する効果があり、予防や改善に役立つとされています。特に、心筋梗塞や、虚血性心疾患の原因とされる、心臓に近い血管である冠状動脈に効果があり、死亡リスクが低減するという報告があります血小板凝集抑制作用は血液をサラサラにする効能もあるため、動脈硬化だけでなく、さまざまな疾患に効能があります。
●中性脂肪を減らす
EPAは血液をサラサラにする効果を持っていますが、特に、中性脂肪を減少する効果が強いとされています。中性脂肪が高いと、高脂血症や血栓症、高血圧などさまざまな疾病の原因になるとされています。
魚の脂質は不飽和脂肪酸でサラサラとしていますが、一般的な動物の肉の脂質は飽和脂肪酸でドロドロとしていてすぐに固まります。魚に含まれているEPA、DHAなどの脂は健康維持のため注目されています。日本人は比較的多く摂取していましたが、魚から肉中心の食生活に変化した近年では、摂取量が低下していると言われています。
健康維持の視点から「飽和脂肪酸」と呼ばれる肉の脂の摂り過ぎに警鐘が鳴らされる一方、血液の健康を保ちたい方やコレステロール値を下げたい方は魚などに含まれる「不飽和脂肪酸」は積極的に摂ることがすすめられています。
なお、エイコサペンタエン酸(EPA)と同じ多価不飽和脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)も同様の働きをし、EPAとDHAはお互いに補い合って生活習慣病などを予防しますが、血液の流動性を高める効果はEPAのほうが高いといわれています。
EPAを多く含む食べ物
イワシやサバ、サンマ、マグロなど背の青い魚に多く含まれています。魚の脂は焼くと失われてしまい、干物にすると油が酸化されてしまうので、刺身や煮魚で食べることをおすすめします。
厚生労働省は一日EPAの摂取は1g以上推奨ですが、毎日魚を必要量摂り続けるのは難しいものです
なお、魚嫌いの方や魚を食べる機会が減ったなと思われる方は、意識して摂取したい健康にいい成分です。
当院発売しているメルブラールという医療用医薬品の後発品で大きさ直径約4mmでカプセルに包んで胃酸に負けず腸まで届くため、油による胃にたれや魚臭いもどり臭を軽減します。
■用法・用量
・閉塞性動脈硬化症に伴う潰瘍、疼痛および冷感の改善
・イコサペント酸エチルとして、通常、成人1回600mgを1日3回、毎食直後に経口投与する。
なお、年齢、症状により、適宜増減する。
・高脂血症
・イコサペント酸エチルとして、通常、成人1回600mgを1日3回、毎食直後に経口投与する。
ただし、トリグリセリドの異常を呈する場合には、その程度により、1回900mg、1日3回まで増量
できる。
■使用上の注意
1.次の方は慎重に投与して下さい。
(1)月経期間中の患者
(2)出血傾向のある患者
(3)手術を予定している患者[(1)~(3) 出血を助長するおそれがある。]
(4)抗凝集剤あるいは血小板凝集を抑制する薬剤を投与中の患者
2.重要な基本的注意
(1)本剤を閉塞性動脈硬化症に伴う潰瘍、疼痛および冷感の改善に用いる場合、治療にあたっては
経過を十分に観察し 、本剤で効果がみられない場合には、投与を中止し、他の療法に切り替える
こと。また、本剤投与中は定期的に血液検査を行うことが望ましい。
(2)本剤を高脂血症に用いる場合には、次の点に十分留意すること。
1)適用の前に十分な検査を実施し、高脂血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮する
こと。
2)あらかじめ高脂血症治療の基本である食事療法を行い、更に運動療法や高血圧・喫煙等の
虚血症心疾患のリスクファクターの軽減等も十分に考慮すること。
3)投与中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止
すること。
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