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ピルについて

■ピルとは・・・
日本での避妊用女性ホルモン剤を指す俗称で、経口避妊薬(OC:oral contraceptive)とも呼ばれます。これを女性が服用することにより人工的に妊娠中と同様な内分泌状態を持続させることで 排卵を停止させます。正しく服用した場合の避妊の確率は非常に高いのです。
避妊の他に生理時期の調整や月経痛や月経前症候群(PMS)や過多月経やニキビや子宮内膜症など様々な効果があります。


■避妊用低用量ピルについて
低用量ピルは日本では1999年に認可されました。エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲストーゲン(黄体ホルモン)のごく低量の低用量ピルが現在、最も一般的で、副作用やリスクも中用量ピルよりも半分くらい少ないとされています。ピルの服用による身体への影響は、妊娠中に起こりうるリスクよりもずっと低いものです。しかしピルの服用は模擬妊娠状態と考えていただければお分かりの通り「つわり」の様な吐き気などが服用初期に起こる事があります。そのような場合は心配せず医師にご相談ください。「長年中用量ピルを飲んでいるので大丈夫」と言う方も低用量ピルへの切り替えをお勧めいたします。年齢を重ねるごとにリスクは増加いたします。



トリキュラー28
トリキュラー28
日本シェーリング株式会社



ラベルフィーユ28錠
ラベルフィーユ28錠
富士製薬工業株式会社

(「トリキュラー」の後発品)

アンジュ28アンジュ28
帝国臓器製薬株式会社
マーベロン28
オルガノン株式会社



ラベルフィーユ28錠
ファボワール28錠
富士製薬工業株式会社

(「マーベロン28」の後発品)

 

■緊急避妊「モーニングアフターピル」
性交後避妊法または「モーニングアフター」方と呼ばれ、「受精卵の着床を防ぎ、性交後の妊娠を阻止する」ということです。性的暴行やコンドームが破れた、ベッサリーがはずれた等の避妊の失敗に対する緊急避妊法です。EC(Emergency Contraception) 、ECP(EC Pill)、モーニングアフターピルなどとも呼ばれますが、現在日本では認可されていませんが、殆ど中用量ピルが使用されています。妊娠の危険を伴う性交渉後24 時間以内の服用で 95 %、72 時間以内の服用で 70%位での避妊効果があると言われています。中用量ピルプラノバールを72時間(3日)以内に2錠服用してから、12時間後にまた2錠服用します。
常用量の倍量のピルを服用するので、半数の人に吐き気などつわり症状がおこるので、吐き気止めの併用をお勧めします。

ノルレボ
ノルレボ
あすか製薬株式会社


レボノルゲストレル
レボノルゲストレル
富士製薬工業株式会社

(ノルレボの後発)

プラノバール
プラノバール
あすか製薬株式会社

 

■避妊効果
①中用量ピルも低用量ピルも排卵を抑制する働きがあり、効果は同等です。また仮に排卵があってもエストローゲンが卵巣内のホルモン分泌量を抑えるので卵子が生き続けることができません。②子宮頚管粘液の粘度を増加させ、精子が入ってくるのをさまたげるため受精を防ぐことができます。③子宮内膜が薄く変化するので、卵子が着床しにくくなります。

■ピルの効果は・・・?
正確に服用すると、ほぼ確実に避妊することができます。ピル服用後に吐いてしまったり、他の薬剤の併用などする場合、医師にご相談ください(妊娠率0.3%)。ベッサリーやコンドームを使った場合より避妊効果は高いです。海外では最も効果の高い避妊法として5年間挿入できるIUS(ホルモン付加型IUDシステム)があります。海外では避妊、過多月経、HRT中の子宮内膜保護の目的で使用されています。日本でも2007年4月より避妊法の一つとして認可されました。

 

■服用方法
28日を一周期として服用するものと、21日間服用し服用後1週間休薬するタイプのものがあります。飲み始めの方法は月経初日(月経から5日以内)から服用する方法があります。1日1錠をできるだけ決まった時間に飲むようにします。ピルを飲むと月経通・月経量・イライラ等の不快感やニキビ等が減り、多毛症や子宮内膜症の進行抑制などでも処方されております。

■使用時の注意
避妊効果に関してピル服用には2通りあります。月経初日から服用する方法は飲んだその日から毎日が安全日です。21錠タイプの場合、休薬期間中の1週間も安全日です。月経開始5日目までの服用であれば安全日です。従って飲み始めが月経開始から5日以上経過している場合、最初の一週間はコンドームなど他の避妊も同時に行った方が良いです。参考までに現在の添付文書(お薬の説明書)には月経開始初日に服用と掲載されています。

■飲み忘れた場合
1日~2日飲み忘れた時は気付いた時点ですぐに前の日の薬を1錠飲んで、その日の分は定刻に飲みます。3日以上飲み忘れたら、一旦服用を中止して他の避妊法に切り替え、次の生理からまた最初から始めます。

■副作用
服用後数週間で、吐き気やめまいや頭痛などが起こる場合がありますが多くても3ヶ月でほぼ無くなります。吐き気に関しては出来るだけ食後に服用するなどしてください。体重に関しては相関関係が無いと言われております。しかしピル服用後に生理痛や過多月経が減って体調がよくなり食欲が増える方々や逆にダイエットが成功し、体重が減る方などがいらっしゃいます。長期服用の際は、半年に1度くらいは、貧血・肝機能検査等を受けて頂く事をお勧めいたします。また、1年に1度、子宮癌・乳癌等の検査を受けることをお勧めします。ピルを半年服用する事により卵巣癌のリスクが50%減ると言われております。乳癌に関しては相関関係が無いとされております。また、子宮頸癌は増えておりますが、原因は性感染症のヒトパピローマウイルス(HPV-11)であり、ピル服用によりコンドームを付けずに膣内射精を行う為、性感染症ヒトパピローマウイルスが感染し、ピルが原因で増加している訳ではございません。性感染症の防止はコンドームで行ってください。ピルを服用する場合喫煙なるべく控えてください。 

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