子宮頸がんワクチン
■子宮頸がんについて・・・
子宮頸がんは婦人科領域のがんの中で、乳がんに次いで発症率が高く、20~30代の女性では最も発症率の高いがんで、近年急増しています。初期の段階ではほとんど自覚症状がないため、しばしば発見が遅れます。日本では年間約15,000人の女性が発症していると報告されています。
■子宮頸がんは発がん性HPVの感染が原因です。
子宮頸がんの原因はほぼ100%発がん性ヒトパピローマウイルス(HPV)ーコンジロームで性行為により感染しますが、感染しても多くの場合、感染は一時的、ウイルスは自然に排除されますが、感染した状態が長い間続くと、数年から十数年かけて前がん病変(がんになる前の異常な細胞)を経て、子宮頸がんを発症することがあります。一度排除されても獲得免疫は得られにくいと考えられ、何度も繰り返し感染しています。また、特別な人だけが感染するのではなく、多くの女性が一生のうちに一度は感染するごくありふれたウイルスです。このため、性行動のあるすべての女性が子宮頸がんになる可能性を持っています。
発がん性HPVには15種類ほどのタイプがあり、その中でもHPV16型、18型は子宮頸がんの発症原因の約65%を占めており、特に20代では90%、30代では75%にもなるという報告があります。また、HPV16型、18型は外陰がんに先行してみられる場合もあります。外陰上皮内腫瘍や膣がんに進行する可能性のある膣上皮内腫瘍の発症にも関連しています。
HPV6型、11型は尖圭コンジロームという性器周辺にできるイボの発症原因の約90%を占めています。
HPV16型と18型のウイルス検査は8,000円で、一週間で結果はでます。
■発がん性HPV16型、18型の感染を防ぐワクチンがあります。
子宮頸がん予防ワクチン2種類あります。
第1種類―サーバリックスはHPV16型、18型の2タイプの発がん性HPVの感染を防ぐことができます。
第2種類―ガーダシルはHPV16型、18型の2タイプの発がん性HPVを感染する他、HPV6型、11型による尖圭コンジロームの感染予防にも効果が期待できます。
ワクチンを接種した後も、すべての発がん性HPVによる病変が防げるわけではないのです、早期発見するために、定期的に子宮頸がん検診の受診が必要です。
千葉クリニックでは子宮頸がん検診1回2,600円です。
■子宮頸がん予防ワクチンの効果
発がん性HPVに感染する可能性が低い10代前半に子宮頸がんが予防ワクチンを接種することで、子宮頸がんの発症をより効果的に予防できます。
予防効果がいつまで続くかについては、現時点で成人女性で一番長い人で6.4年間(平均では5.9年間)までサーバリックス接種による抗体と予防効果が続くことが確認されています。ガーダシルはHPV6型、11型、16型、18型に起因する外陰上皮内腫瘍、膣上皮内腫瘍、尖圭コンジロームに対して高い予防効果が示されました。(海外臨床試験成績)
両方とも今後の追加接種について得られる情報にご留意ください。
■注意点
3回接種しないと十分な予防効果が得られません。
サーバリックスは初回、1ヵ月後、初回から6ヵ月後の接種で、ガーダシルは初回、初回から2ヵ月後、初回から6ヵ月後の3回接種となります。
6型、11型、16型、18型以外のHPV型に対しては予防効果が期待できません。既に4つ型HPVに感染している人に対して、病態の進行予防効果は期待できません。
3回の接種の途中で妊娠した場合には、接種は継続できません。その後の接種についてご相談ください。
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